INTERVIEW 08 鈴木直人 NAOTO SUZUKI

1976年生まれ、東京都出身。15歳のとき、ジャズフュージョンギタリストの鈴木よしひさ氏に師事する。2004年には、Gibson jazz guitar contest最優秀ギタリスト賞を受賞。現在はギタリストとして、徳田雄一郎RALYZZ DIGほか、さまざまなアーティストのサポートメンバーとして活躍し、日本のみならず海外のジャズフェスティバル等にも多数出演。

今まで誰も聞いたことのない
新しい音を生み出したい

[P] ENZO / [TEXT] KENJI SUNOHARA

ジャズのみならず、すべての音楽に秘められた可能性を引き出すために、ギタリストとして、プロとしてできることは何なのか。今回、インタビューを行ったのは、昨日、初のリーダーアルバムをリリースした鈴木直人さん。鈴木さんが考える音との向き合い方や、音楽がもっている魅力について、お話をうかがった。(前編)

お互いの音を信頼し合えているメンバーと一緒なら
いつもとは違う特別な音楽がきっと奏でられる

――11月29日にアルバム『Resonance and Emission』をリリースされましたが、作品のいちばんの聞きどころを教えていただけますか?

ひと言でいうと“アンサンブル”。ピアニストの熊谷ヤスマサ、ベーシストの川村竜、ドラマーの岩瀬立飛という、お互いの手の内がわかっている信頼関係の深いメンバーとつくりあげた、一体感にあふれたサウンドを楽しんでもらいたいですね。

実際、アルバムに収録された曲は、ほぼすべてがテイク1で録音されたもの。テイク2までやった曲もあるんですが、結局、「最初に録ったやつのほうがよかったよね」という感じでした。

あと個人的には、立飛さんのドラムがすごいライブ感満載で、大暴れしているところかな。スティーヴン・スピルバーグが監督した映画『激突!』みたいに、後ろから迫ってくるようなドラムを感じてもらえればと思います。

――やはり、メンバー同士が互いを理解し合えていることは、音にも表れるものなんですね?

ジャズって、一人ひとりが流動的に活動することが多いんですよ。特に東京では、日々、違う人と演奏することが常習化している。

でも、パット・メセニーのグループだったり、ケンドリック・スコットのオラクル、スコット・ヘンダーソンのトライバル・テックだったり、ぼくがすばらしいと思うバンドって、メンバーを固定することで、常に質の高いサウンドを響かせています。

即興性を大事にするジャズだからこそ、お互いの音をわかっていることはとても重要だと思うし、それがいい音楽をつくることにつながるんだと、ぼくは思っています。だから今回のアルバムも、メンバー同士に信頼感があるからこそ生み出せる、人間味にあふれた音を大切にしました。

――今回、初のリーダーアルバムをリリースされたわけですが、今後の展望や目標について、教えていただけますか?

やっぱり、オラクルやトライバル・テックみたいに、完全固定メンバーで独自の音楽を追求していきたいですね。

それと1stアルバムをリリースしたばかりでいうのもなんですが、次のアルバムをつくりたいです。今回のものはエレクトリックな内容だったので、次はアコギをメインにして。曲もオリジナルが中心だったので、次はスタンダードな曲構成でいきたいな、と。

――あえてオリジナルではなく、スタンダードな曲構成にする理由は?

オリジナルの曲をどんどん出していくことは重要なんですが、スタンダードな曲をどう演奏するかってところにこそ、演奏者一人ひとりのセンスや持ち味が出てくると思うんですよ。だから、そうした作品をつくっていくことで、ジャズ本来の魅力を伝えられればいいですよね。

作曲家の理想を上まわるミラクルな音楽が誕生する
その可能性があるなら、ぼくはチャレンジし続けたい

――鈴木さんの考える、ジャズの魅力とは何だと思いますか?

作曲家が理想とする音楽というのは、それぞれの楽器の演奏者が、スコアの指示通り完璧に演奏することで完成します。対してジャズは、すべてスコアの通りではなく、それぞれの演奏者が即興で演奏する。そのとき、互いの音の狙いどころをきちんと理解し合えている、信頼感に結ばれた演奏者たちが即興で演奏すると、ごくたまになんですが、作曲家の理想すら上まわっているように感じられる、ミラクルな音楽が生まれるんですよ。その瞬間こそがジャズの魅力なんだと、ぼくは思っています。

――では、ジャズの魅力は即興での演奏にこそある?

それもありますが、即興であるということをいちいち理解してもらいたい、とは思っていません。即興感を見せることは、むしろまったく必要ないとすら思っています。

大事なのは、結果。今、奏でられている音楽がどれだけすばらしいかってことが、最も重要だと思います。「これ全部、書き譜なんですか、それとも即興なんですか」なんて聞かれる段階を飛び越えて、ただ演奏を聞いてもらうことで、本当にすばらしい音楽だって思ってもらえることがいちばん。

――つまり、即興での演奏は、いい音楽をつくるための手段でしかない?

はい、そうだと思います。即興という演奏手段を用いることで、どんな偉大な作曲家がつくった音楽よりも、おもしろいものができる可能性があるのなら、演奏者はそれにチャレンジし続けるべきだと、ぼくは思っています。

さまざまな演奏者たちによって生み出された、思いもよらない新たな発想によって、「こんなの誰にもつくれないでしょ!」って音楽が、できあがる瞬間。その瞬間を常に発信し続けていくことが、ジャズをやる人間にとっての使命なんじゃないでしょうか。

MOVIE

LIVE

  • 2018.01.27 (SAT)
    open 17:00
    Ryu Miho(vo)、鈴木直人(gt)
    【茨城県】ひたち野うしく Cafe Wise Court 102(茨城県牛久市ひたち野西3丁目31-10)
  • 2018.01.26 (FRI)
    open 18:00
    TRIO from RALYZZDIG
    徳田雄一郎(sax) 、鈴木直人(gt) 、田村和大(pf)

    【東京都】銀座 No Bird(東京都中央区銀座7丁目3-7 ブランエスパ銀座B1F)
  • 2018.01.25 (THU)
    open 19:00
    山田豪(g)、鈴木直人(g)
    【東京都】池袋 Absolute Blue(東京都豊島区西池袋1-15-6 豊島会館B2F)
  • 2018.01.23 (TUE)
    open 20:45
    Triple Standard feat.Geila Zilkha
    永田ジョージ(Pf)、伊藤大輔(Vo)、鈴木直人(Gt、)special guest : Geila Zilkha(Vo)

    【東京都】渋谷 JZ Brat Sound of Tokyo(東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル2階)
  • 2018.01.20 (SAT)
    open 18:00
    Triple Standard
    永田ジョージ(Pf)、伊藤大輔(Vo)、鈴木直人(Gt)

    【静岡県】静岡・浜松市 Hermit Dolphin(静岡県浜松市中区田町326-25 KJスクエア2F)
  • 2018.01.19 (FRI)
    open 18:00
    Triple Standard
    永田ジョージ(Pf)、伊藤大輔(Vo)、鈴木直人(Gt)

    【岐阜県】岐阜・中津川市 Majolica Bamboo(岐阜県中津川市駒場801-1)
  • 2018.01.18 (THU)
    open 18:30
    Triple Standard
    永田ジョージ(Pf)、伊藤大輔(Vo)、鈴木直人(Gt)

    【兵庫県】神戸 CREOLE(神戸市中央区山本通2-3-12)
  • 2018.01.17 (WED)
    open 18:00
    Triple Standard
    永田ジョージ(Pf)、伊藤大輔(Vo)、鈴木直人(Gt)

    【愛知県】愛知・名古屋市 Mr.Kenny’s(愛知県名古屋市中区金山5丁目1-5 満ビル2F )
  • 2018.01.15 (MON)
    open 18:00
    Triple Standard
    永田ジョージ(Pf)、伊藤大輔(Vo)、鈴木直人(Gt)

    【富山県】富山レストラトゥール(富山県富山市総曲輪3丁目3-14 総曲輪通りアーケード内)
  • 2018.01.14 (SUN)
    Triple Standard
    永田ジョージ(Pf)、伊藤大輔(Vo)、鈴木直人(Gt)
    【長野県】長野・上田市 信州国際音楽村ホールこだま(長野県上田市生田2937−1)
  • 2018.01.13 (SAT)
    open 14:30
    Triple Standard
    永田ジョージ(Pf)、伊藤大輔(Vo)、鈴木直人(G)

    【東京都】青梅 ミュージックコレクション吉澤(青梅市東青梅3-1-3)
  • 2018.01.12 (FRI)
    open 18:00
    Ryu Miho(vo)、熊谷ヤスマサ(pf)、鈴木直人(g)
    【東京都】神楽坂 TheGLEE(東京都新宿区神楽坂3-4 AYビル B1)
  • 2018.01.11 (THU)
    open 18:00
    鈴木直人(g) 、池戸祐太(g) 、岡田治郎(b) 、平山恵勇(d)
    【東京都】赤坂 Virtuoso(東京都港区赤坂2-13-14 福富ビルB1F)
  • 2018.01.9 (TUE)
    成田祐一(of)、鈴木直人(gt)
    【神奈川県】関内 アップル(横浜市中区弁天通2-34)