INTERVIEW 10 RHIZOME RHIZOME

1960年代、世界中の若者から圧倒的に支持されたビートルズ。彼らが歌う愛と平和のメッセージと斬新なサウンドを未来へつなげていきたいという思いから、2012年に結成。ビートルズの楽曲をアレンジして演奏することで、その魅力を伝え続けている。2016年より、現メンバーである吉木稔(Ba)、石川早苗(Vo)、沢村繁(Pf)、金澤沙織(Dr)で活動中。

世界にあるさまざまな枠を
音楽によって越えていきたい

[P] ENZO / [TEXT] KENJI SUNOHARA

音楽を通して何かを変えていきたい。かつてビートルズが、世界に存在するさまざまな枠を飛び越えていったように。今回、インタビューを行ったのは、そのビートルズの楽曲をアレンジし、演奏活動を展開しているバンド、RHIZOME。彼らが思い描く未来、そして1stアルバムに込めた思いについて、お話をうかがった。(前編)

ビートルズが伝えようとしていた
「愛と平和」のメッセージを歌い継いでゆく

――今回、RHIZOMEの1stアルバムをリリースされるそうですが、どういったアルバムなのでしょうか?

吉木
タイトルは『plays THE BEATLES』で、リリースは2018年7月7日の予定です。アルバムのコンセプトはRHIZOMEのコンセプトと同じく、ビートルズが伝えようとしていた「愛と平和」のメッセージを歌い継いでゆきたい、という思いが込められています。

――メンバーのみなさん、それぞれのイチオシの曲を教えていただけますか?

吉木
ぼくは「Norwegian Wood」。今回、アレンジした中でも、いちばんの自信作です。楽曲の想いは大切にして、原曲とは違う感じに仕上がっているので、ぜひ聞いてもらいたいですね。

金澤
「I Feel Fine」ですね。私は子どものときからビートルズを聴いて育ったんですが、この曲ではリンゴスターのドラムをそのままコピーして演奏しています。リンゴとほぼ同じことして、リンゴになったような感覚で収録するのが夢だったので、この曲がイチオシです。

沢村
オレはね、「Lucy in the Sky with Diamonds」。自分のイメージの上っていうか、イイ方向にいってくれました。

石川
私は「While My Guitar Gently Weeps」かな。ジョージの曲で、ギターをテーマにした歌なんですが、あえて声とベースだけでやってみたらどうかなって。自分もアイデアを出しながら試してみたら、すごくおもしろく仕上がったので。独特な雰囲気で、こういうアレンジは世界にもないと思います。

金澤
ほかにも「I will」とかオススメです。

石川
「I will」は、ライブでファンの方からの人気が高い曲なんですよ。もともと名曲ですが、RHIZOMEのバージョンが好きって、よくいわれる。とてもチャーミングなトラックになっているので、聞いてもらいたいですね。

加工されていない、今、ココで生まれたばかりの
「あるがまま」の音を感じとってもらいたい

――では、今回のアルバムを制作するにあたって、こだわった部分とは?

石川
ホール録音したってところだと思います。

吉木
作品というのは、必ず何らかの意味が込められていると思います。それをふまえて、今回のアルバムでまず取り払いたかったのが、エンジニアをミュージシャンよりも下に扱いがちな、レコーディングの概念でした。何かを作るとき、誰かが上だとか下だとかいっていては、決していいものはできない。だから今回は、ぼくと同じ思いをもってくれている、エンジニアの富正和さんに協力してもらいました。

石川
西東京市民会館のホールを借り切って録音したんですが、ホールを紹介してくれたのも富さん。すごいレトロで、かわいいホールなんですよ。

金澤
いろいろ味があって、タイムスリップしたみたいな感じ。

吉木
昭和期に建てられたホールなんですが、造りがとてもいいんですよね。

――ホール録音ということですが、現場ではどんなスタイルでレコーディングを?

石川
ステージ上に3人がいて、私だけ客席で歌って、というスタイルでしたね。

沢村
互いの音がかぶる状態で録音したので、修正がほとんどきかない。緊張感のある独特の空気感を保ちながら、ライブ録音じゃないけど、それに限りなく近い有機的な状態でレコーディングできたと思います。

――実際にできあがったものを聴いて、みなさんの感想は?

金澤
特にベースと歌だけの曲とかは、広い空間で録っているから反響がモロに入っているんだけど、それが自然なまま聞こえるのですごく気持ちいい!

石川
いい響き具合、いい交じり具合で録音するのに、ホールっていう空間は最高でした。

金澤
いつもライブでやっているみたいに、その場でみんなが意見を出し合って、常に音楽を変化させながらレコーディングできたことも、すごく良かったと思う。だから結果的に、無理に作り込んでいない自然な音ができたんですけど、それが聞いている人にも伝わったらいいなと思います。

沢村
加工されてない、今、ココで生まれたばかりの音なんだよってことがね。

吉木
そう、自然な音。まっとうな意味での「あるがまま」みたいな音を、このアルバムでは提示したかったんです。目に見える範囲が間違っているからって、そこをいちいち直していたら、結局、何やっているんだろう…、って本末が転倒してしまう。少しくらい違っていても、最初にあるものが確かなら、きっと届くはずなんですよ。

金澤
実際にビートルズも、ブースなんかに入らず録音していたんですよね。まぁ、時代が時代なので技術的な限界もあったと思いますが、今となってはそれも良さというか。歌詞を間違えている曲とかもあるんですけど、今でもそれをみんなが聴き続けているのは、それがいいってことなんじゃないかなって。

石川
レコーディングにあたって吉木さんが、「ただ単に、表面上きれいなだけの音に仕上げたくない。少し荒っぽくてもいいから、自分たちだけの音楽を作りたい」っていっていたんですよね。私も、きれいに作り込む方法は悪くないと思うけど、その方法では表現できないものを作ってみたかった。今回のアルバムは、その思いを、きちんとかたちにできたと思います。

吉木
ぼく個人がリーダーとしてリリースするアルバムは2枚目。1枚目は、ジャズのスタンダードをコントラバスだけで演奏した『ONE+』というアルバムだったんですが、今回、RHIZOMEとしてはじめてのアルバムを作って改めて思ったのは、いろいろな枠を越えていきたいってこと。
ぼくら日本人が、ジャズという音楽の方法論を使って、しかもビートルズの楽曲でアルバムを作ったわけですが、世界中のどの国の音楽とも渡り合える作品でありたい。そして、RHIZOMEというバンドがこのアルバムを通して、既成の価値観を越えていく存在になっていきたい、という思いがさらに強まりました。

LIVE

  • 2018.07.26 (THU)
    start 19:30
    「plays THE BEATLES」CD発売LIVE
    吉木稔(Ba)、石川早苗(Vo)、沢村繁(Pf)、金澤沙織(Dr)

    【神奈川県】鎌倉ダフネ(鎌倉市小町2-10-10 T.I.ビル3F)
  • 2018.07.12 (THU)
    start 19:30
    「plays THE BEATLES」CD発売LIVE
    吉木稔(Ba)、石川早苗(Vo)、沢村繁(Pf)、金澤沙織(Dr)

    【東京都】学芸大学 珈琲美学(目黒区鷹番2-19-20-B1)
  • 2018.07.07 (SAT)
    start 20:30
    「plays THE BEATLES」CD発売LIVE
    吉木稔(Ba)、石川早苗(Vo)、沢村繁(Pf)、金澤沙織(Dr)

    【東京都】江古田そるとぴーなつ(東京都練馬区栄町4−3 グレーシー マンション B1F)
  • 2018.07.06 (FRI)
    「plays THE BEATLES」CD発売LIVE
    吉木稔(Ba)、石川早苗(Vo)、沢村繁(Pf)、金澤沙織(Dr)

    【神奈川県】関内KAMOME(神奈川県横浜市中区住吉町6-76)
  • 2018.05.29 (TUE)
    start 19:40
    吉木稔(Ba)、石川早苗(Vo)、沢村繁(Pf)、金澤沙織(Dr)
    【神奈川県】日吉wonder wall(神奈川県横浜市港北区日吉2-6-6 日吉壱番館B1F)
  • 2018.05.12 (SAT)
    start 20:30
    吉木稔(Ba)、石川早苗(Vo)、沢村繁(Pf)、金澤沙織(Dr)
    【東京都】江古田そるとぴーなつ(東京都練馬区栄町4−3 グレーシー マンション B1F)
  • 2018.04.25 (WED)
    start 20:00
    吉木稔(Ba)、石川早苗(Vo)、沢村繁(Pf)、金澤沙織(Dr)
    【神奈川県】関内KAMOME(神奈川県横浜市中区住吉町6-76)