INTERVIEW 13 山田 丈造 TAKEZO YAMADA

1991年生まれ、札幌市出身。トランペット奏者。父の影響でジャズを聴き始めると、9歳から札幌ジュニアジャズオーケストラに参加。2012年、プロとして音楽活動を開始。2014年には全員が北海道出身のバンド「North Pandemic Groove」を結成。そのほかにも竹村一哲らと結成した「maziwaris」、ソウルバンド「Shunské G & The Peas」への参加など、活動は多岐にわたる。

音楽を追求していくなら
どこまでも楽しみたい

[P] ENZO / [TEXT] KENJI SUNOHARA

ハード・バップやファンキー・ジャズを心に刻みながら、ジャンルにとらわれることなくセッションを重ねていくことで、そのときその瞬間、自分の思う最高の音楽を楽しんでいく。今回は、ジャズをバックボーンに、新しい音楽を生み出すことに挑戦し続けている、注目の若手トランペット奏者、山田丈造さんにお話をうかがった。(後編)

ジャンルにとらわれてしまうと、
本当の意味で音楽を楽しめなくなってしまう

――山田さんの、最近の音楽活動について教えていただけますか。

基本的には、いわゆるジャズのソロ現場がメイン。バンドに関してはいろいろ参加していて、ピアニストの荒武裕一朗さんのカルテット、ギタリストの秋山一将さんのTrial Trip、サックスの林栄一さんのGatos Meeting。同世代の仲間とやっているバンドなら、全員が北海道出身のNorth Pandemic Groove、R&B・ソウルのバンドでShunskê G & The Peas、ドラマーの竹村一哲とやっているMaziwarisとか。

――ジャズにとどまらず、いろいろなジャンルのミュージシャンとコラボされているんですね。

ジャズの色が濃いものから、フュージョンぽいもの、ポップスバンドまで、ホントに幅広く。いろんな音楽のバックボーンがある人たちと一緒に演奏するのって、楽しいんですよね。

ぼくの場合、子どもの頃からずっとやってきたジャズがベースにあって、それが音楽をやるときの基準になっている。実際、20世紀以降のポピュラー音楽は、ほとんどがジャズにルーツがあると思うんですけど、他のジャンルの人とセッションしていると、「これはジャズとココが違う」とか「こういうふうに変化していったんだ」ということに気づく瞬間がおもしろいんですよ。

――演奏中、そんなことも考えるんですね!

たとえば、一緒に演奏してみたら、こいつはマイケル・ジャクソンばっかり聞いてきて、マイケルのことがすごく好きなんだろうなってわかった瞬間とかも、すごく楽しい。
なんだろうな……、やっている音楽のジャンルなんてなんでもいいと思うんですけど、自分の音楽のルーツみたいなものがはっきり見えてくるミュージシャンと一緒に演奏することが、ぼくはとても好きなんですよね。

――では、今後もジャズ以外とのコラボを積極的に展開していきたい?

そうですね。ぼくら20代のミュージシャンというのは、そこからオンリーワンの新しい音楽を、見つけていかなくちゃいけないんじゃないかなって。

一度きりのセッションでは決して醸し出せない
特別な音楽を一緒に作れる仲間を見つけていきたい

――ちなみに、山田さんが現在参加しているバンドのなかで特にオススメなのは?

どれも聞いて欲しいといえばそうなんですけど……、Maziwarisかな。
メンバーの竹村一哲は、渡辺貞夫さんのバンドでレギュラードラマーを任されている若手の注目株。ベースの越智俊介は、ソウルやR&B界では売れっ子で、菅田将暉君とか、いろんなアーティストやバンドへの楽曲提供でも活躍中。そして、バンドのキーパーソン的な存在となるのが、ギターの碓井佑治。碓井はあんまり器用じゃないんですが、天才肌っていうか。とにかく気持ちでギターを弾くタイプなんですけど、ぼくらは最高のギタリストだと思っています。

――Maziwarisの、バンドとしてのコンセプトは?

コンセプトは、メンバーそれぞれの音楽性を発揮してオリジナルをやる。あと、碓井という存在をいかに活かすかってことですね。
碓井の曲で『SUMMER SAMBA』っていう、タイトル的にはダサいフュージョンチックな曲があるんですけど、これが北海道限定でカルト的な人気がある。この曲のイントロが始まっただけで客席から「キャー!」っていう歓声が上がって、途中からサイリュームをふり出すお客さんが出てきたりして(笑)。

――アイドルのライブみたいですね(笑)

ジャズをやっているときの、ぼくや竹村しか知らない人が聞いたら、けっこう驚かれるんですけどね。でも、そうかと思ったら、かなりフリーが入っているジャズを演奏したりもする、まぁ、ヘンなバンドです。
みんな北海道出身で、家族というか兄弟がやっているみたいな感じのバンドなんですけど、もっとたくさんの人に聞いてもらいたい。2018年7月に、全曲オリジナルのアルバム『MAZIWARIS』がリリースされたので、全国ツアーとかやれたらと思います。

――ほかにも、オススメのバンドはありますか。

Shunskê G & The Peasも気に入っています。
Maziwarisで一緒にやっている越智も参加しているバンドで、いいメンバーが揃っているんですが、とにかくShunské Gの歌がいい。ぼくが知っているシンガーの中でも、本当にすごいと思ったのが彼ですね。
ここ数年、日本ではソウルやR&Bリバイバルの流れみたいなものがあると思うんですが、Shunskê G & The Peasは、その音楽にとても忠実にやっている自負があります。かなり古いところまで掘り下げて、ソウルやR&Bを追求している部分を、ぜひ聞いてもらいたいですね。

――最後に、今後の展開についてお聞かせいただけますか。

まずは、今やっているすべてのバンドを一生懸命やりたい。一本一本、すべてが楽しく、充実してやらせてもらっているので。
それと並行して、北海道にいた時代から続けてきた仲間たちとアルバムを作ったり、ライブの活動の幅を全国に広げていければと思います。

そして、活動を通してたくさんのミュージシャンと出会っていくことで、一緒に長いことやっていけるメンバーを見つけていくのも、今後の課題。一度きりのセッションではぜったいに醸し出せないジャズをやりたいんですよ。メンバーを固定したバンドにしかできない、熟成された特別な音楽を、これから作り上げていくことが大きな目標ですね。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

RELEASE

北海道が産んだスーパー爆音バンドMAZIWARIS!
待望の1stフルアルバム、リリース決定!!!

様々なジャズレジェンド達のバンドを総なめにしている若手最重要人物、竹村一哲(ds)
竹村を幼少期から知り、数々のライブハウス、フェス会場の台風の目、山田丈造(tp)
顔の煩さでは世界一!!北海道産爆音ダイナミックギタリスト、碓井佑治(gt)
ソウル、R&B界の超新星にして、菅田将暉サポート等若手ポップス界の要、越智俊介(b)

4人の才能がマジワリあう!!!

2018年7月8日発売
1st full album
MAZIWARIS

MOVIE

LIVE

  • 2018.08.19 (Sun)
    START 18:00〜
    山田 丈造 山田丈造(Tp)、高橋佑成(P)、古木佳祐(B)、山田玲(Ds)
    【東京都】江古田 そるとぴーなつ(練馬区栄町4-3 グレーシー マンション B1F)
  • 2018.08.14 (Tue)
    START 20:00〜
    山田 丈造 山田丈造(Tp)、浅利史花(Gt)、三嶋大輝(B)
    【東京都】大塚 ドンファン(豊島区南大塚2丁目32-8)
  • 2018.08.12 (Sun)
    OPEN 12:00〜
    山田 丈造 山田丈造(Tp)、工藤拓人(P)、越智俊介(B)、竹村一哲(Ds)
    【東京都】新宿 PIT INN<昼の部>(新宿区新宿2-12-4アコード新宿 B1)
  • 2018.07.26 (Thu)
    START 20:00〜
    山田 丈造 山田丈造(Tp)、工藤拓人(P)、越智俊介(B)、竹村一哲(Ds)
    【東京都】高田馬場 Gate one(新宿区高田馬場2-8-3 佐々木ビル東館B1)
  • 2018.07.08 (Sun)
    OPEN 18:30〜
    山田 丈造 MAZIWARISレコ発ライブ MAZIWARIS 山田丈造(Tp)、碓井佑治(Gt)、越智俊介(B)、竹村一哲(Ds)、ゲスト:工藤拓人(Key/pf)
    【東京都】三軒茶屋 yoncha(世田谷区三軒茶屋2-14-12三元ビル501)